業務委託

業務委託の2種類の形態｛請負，準委任｝

• 請負契約
  • 発注者側には指揮命令権がない．
  • 契約時に設定した納入物・成果物を納期内に収めさえすれば，仕事の進め方は自由．
• 準委任契約
  • 発注者側に指揮命令権がある（仕事の進め方に指示をだせる）．
  • 納入物・成果物ではなく，業務自体（つまり作業時間）が対価となる契約．
  • 典型的には受付や事務など成果物・納入物が設定できないもの．たとえば，受付では さぼって受付を渋滞させたりしてはいけない（善管注意義務が生じる）が，ぜんぜん人がこなくて結局 受付をしなかったとしても問題ないし，（ふつうに受付処理をしている限り）人が多すぎてさばけないことにも責任を負わない．

備考　委任と準委任

委任と準委任は，基本的には同じものと思ってよい．法律上は，“法行為を行うことを第三者に依頼する契約”を“委任”，“法律行為以外での事務を依頼すること”を“準委任”と呼んでいる[3][4]．

関連項目

二重派遣

発注元A社に派遣を行うB社がさらに別のC社から労働者を調達することを“二重派遣”と呼んでいる[6]．二重派遣は違法であり，A社が直接B/C両社と契約しなければならない．準委任契約は派遣になるので別会社から労働者を調達して提供すると二重派遣になる．請負契約であっても実際の作業者が発注者から指示を受けると請負の条件を満たさなくなることに注意（偽装請負）．

請負契約の場合は“多重下請”に対する規制はない．

そもそも“派遣”とは

“労働力調査”をベースの分類した呼称．これらの呼称は法律上の分類ではなく，あくまで慣習．また，“労働力調査”や“国勢調査”などの各種統計ごとに着目する軸がちがっているため，異なる呼称を使っていて[7]，かなり複雑に入り組んでいる．

• 就業者
  • 雇用者
    • 雇用者（役員を除く）
      • 正規の職員・従業員
      • 非正規の職員・従業員
        • 労働者派遣事務所の派遣社員
        • 契約社員
        • 嘱託
        • その他
        • パート
        • アルバイト
    • 役員
  • 自営業主（個人事業主）
    • 雇有業主（雇人のある業主）
    • 雇無業主（雇人のない業主）
      • 一般雇無業主
      • 内職者
  • 家族従業者

業務委託ではない契約

• 民法では“典型契約”として，“売買”，“賃貸借”など13の契約類型ごとのルールを定めている．
• 約款がある場合，約款に従うことになる．
  • 当事者による契約では“契約自由の原則”があるため，法律の規定より当事者間の合意が尊重される．約款を読んでいなくても同意のプロセスが適切であれば約款を読んで同意の上で契約したものとみなされる可能性が高い．
  • 法律で特別な“約款規制”がある場合を除き，業者の定めた約款が適用される．特別な約款規制の例としては消費者契約法[11][12]のクーリングオフによる契約解除や悪徳商法を防止するための規制がある．
• “契約”というのは，双方の話しあいによってきめるもの．“約款”というのはサービス提供者側が一方的にルールを定めたもの．約款は話しあいの手間を省くメリットがある．

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