8086は乗除算命令をもっている. 多くの8ビットCPUは乗除算命令をもっておらず, シフト命令と加減算を組み合わせてプログラムを組む必要があったため, 乗除算命令が実装されている8086は便利なCPUだった.
乗除算命令は使用できるレジスタが決まっており,
第1オペランド(およびデスティネーション)は
AX(およびDX)に固定されている(他の演算命令はAX以外のレジスタも使用できる).
したがって,mul bxのように1オペランドの演算になる.
また,演算相手はレジスタかメモリのみで,即値を指定することはできない.