メール・サブジェクトのデコード

mailxのようなシンプルなメールソフトを使っている場合， MIMEエンコード（Q-encoding）された日本語のサブジェクトが下のように表示されてしまうことがあります．

Subject: テストメール

これを読める状態にもどすにはnkfを使います． nkfは基本的には日本語コードを変換するためのツールですが， MIMEデコード機能ももっています．文字化けでメールが読めないトラブルの多くは， nkfを通すだけで解決しますので，ぜひ覚えておいてください．

デコード手順

mailxを使ってメールを読んでいる場合について説明します．

mailx -f としてメールボックス(mbox)を開きます．
新しいメールがきていない状態でmailxを起動しても「No mail for you」となって，メールボックスを開くことができません．未読メールがない状態でメールボックスを開くには，mailx -fとします．
目的のメールのヘッダまたはメッセージ本体が表示されている状態にします．リターンキーやスペースキーを押すなどして読み進めてください．
目的のメッセージをファイルにセーブします．
- ヘッダが表示されている状態のとき：
```
>   1 fujihara@xyz.abcdefg  Thu Jul 27 14:26  36/1628  "test"
    2 hatai@xyz.domain-nam  Wed Jul 26 12:22  33/1518  "=?ISO-2022-JP?B?GyRCJ"
    3 ttanaka@orange.faked  Tue Jul 25 11:12  24/1422  "sample"
```
  save メッセージ番号ファイル名
  としてメッセージをファイルに保存します．例えば2番のメッセージをmail.txtというファイルに保存する場合， save 2 mail.txtとします．ただし，カレントメッセージ（行頭に「>」マークがついているメッセージ，この例では1番のメッセージ）を保存する場合にはメッセージ番号は省略できるので， save mail.txtだけでOKです．
- メッセージ本体が表示されている状態のとき：
  とりあえず，プロンプト(&)が表示されるまでスペースキーを押して読み進めます．
```
Message 2:
From xyz ＠ xyz.ne.jp Thu Jul 27 12:22:33 2000
To: はたいたかし <xyz ＠ xyz.ne.jp>
Subject: テストメール
X-Mailer: Mew version 1.93 on Emacs 20.3 / Mule 4.0 (HANANOEN)
Mime-Version: 1.0
Content-Type: Text/Plain; charset=iso-2022-jp
Content-Transfer-Encoding: 7bit
Date: Thu, 27 Jul 2000 12:22:16 +0900
From: Takashi HATAI <xyz ＠ xyz.ne.jp>
X-Dispatcher: imput version 980905(IM100)
Lines: 1

テストメールの本文．

&
```
  プロンプトが表示されたらsave ファイル名とします．例えばmail.txtというファイルに保存したい場合， save mail.txtとします．
nkf ファイル名
としてデコード/変換します．ここで指定するファイル名は先にメッセージをsaveするときに指定したファイル名（mail.txt）です．このコマンドを実行するとMIMEヘッダがデコードされたメッセージが標準出力（画面）に出力されます．デコードしたメッセージをファイルに保存したい場合は，
nkf mail.txt >new.txtのようにリダイレクトしてください．

備考

MIMEデコードする-mオプションがありますが，このオプションはデフォルトで指定された状態になっているので，明示的に指定する必要はありません．
Broken JIS-Kanji （ESCコードが抜け落ちて読めなくなったJISコードの文字列）にESCコードを補いながら復元・変換する -Bオプションというのもあります．
クォートされたMIMEヘッダについて

Takashi HATAI
Mar. 05, 2000.